この度小山登美夫ギャラリー前橋では佐藤翠展「Stroking the Swayー風をなでるー」を開催いたします。
今回は展示が初めてとなる前橋のために、2021年から2025年の新作から、佐藤の代表的なモチーフの作品を選びました。花、室内、クローゼット、シューズ、ドレスなど。
【佐藤翠作品について –
大胆な筆致、色彩のコンビネーション、根源的モチーフを可憐に現代的に映し出す】
エモーショナルで大胆な筆のストローク、紫、黄、ピンク、オレンジ、青などの鮮やかな色彩の線と面のコンビネーション。下書きなしにキャンバスに描き、偶然の絵具の滲みや余白をあえて残して示す、遥かな空間の広がり。佐藤作品は、絵画ならではの多層的で自由な魅力さにあふれ、私たちの感性を大いに刺激してくれるでしょう。
クローゼットは独自の代表的なモチーフであり、またドレス、シューズ、カーペット、花々、果物など、昔から多くの人々を魅了してきたシンプルで根源的モチーフにも取り組んでいます。佐藤はそれらに対する憧憬と自身の感覚に従い、現実とイマジネーションを行き来しながら可憐で現代的な独自の作品世界にまで昇華させます。
また特徴として、同じモチーフを繰り返し描きながら、その時々の体験やその感動により表現を変化させる点があります。クローゼットやドレスに花をからませ、空を飛んだり、線が抽象的になり、具体的なモチーフがあったり。その新鮮な世界観は、次はどう変化するのだろうという期待感をもたらし、多くのコレクターや美術関係者、企業やクリエイターなど多分野で高い評価を得てきました。2013年のVOCA賞では大原美術館賞を受賞し、2016年のあいちトリエンナーレに参加しています。2023年にはパートナーの守山友一朗と共に「部屋のみる夢 ― ボナールからティルマンス、現代の作家まで」(ポーラ美術館、箱根、神奈川)に出展。一つの部屋を素晴らしい世界観で満たしました。
近年の主な個展として、「Diaphanous petals」(ポーラ美術館アトリウム ギャラリー、2019年)「FLOW」(Gana Art Bogwang、ソウル、韓国、2023年)があり、小山登美夫ギャラリーでは、2014年から今回で6回目の個展となります。中村文則の小説『去年の冬、きみと別れ』(幻冬舎)の装画や、RMKとのコラボレーションなど、活動は多岐にわたります。
【新作に関して】
本展に際し、佐藤自身からの文章です。
Stroking the Sway
ー風をなでるー
6月のイギリス、コッツウォルズ。ある庭園の一角で、辺り一面にたくさんのマーガレットが咲いていました。それを目の前に、温かい紅茶とお菓子が楽しめるようになっていたので、穏やかに晴れた午後のひと時を、そこでゆっくりと過ごすことにしました。
乾いた空気の爽やかな気候の中で、グリーンフィールドに無数のマーガレットの白い花びらがゆらゆらと風に揺れていました。お茶の時間を終えてから、その中を歩いてみると、花の隙間をさらさらと吹き抜ける風が肌に優しく触れ、その場所に包み込まれるような心地よさを感じました。
ふとその感覚から、白く透ける柔らかなドレスが並ぶクローゼットのイメージが降りてきました。光を浴びて刻々と色を変えていくドレスが私を取り囲む。風に揺れるドレープが肌に触れ、あのマーガレットフィールドのように私を満たしてくれます。手を伸ばし、それをゆっくり横になでるようにして、ふたたび、あの風の感触を確かめてみたいです。
佐藤翠
自分の大好きなものをモチーフにしていくという佐藤の基本的な姿勢に、日々の生活と自然のリズムが調和していく様子が見て取れる文章です。
今回の新作のMargaret Field はクローゼットにマーガレットの花が散りばめられ、柔らかい感じの作品になってます。
新緑の前橋での初めての佐藤翠の展示、是非ご覧ください。
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