今回のインスタレーションは、
一枚のドローイングを描くみたいにしてつくっていました

gallery2

オペラシティの展覧会でもインスタレーションを展示されていましたが、今回との違いはありましたか。

オペラシティでは床にものがはみ出してはいけない等、決まりがありました。今回は「この中で自由にやっていいよ」と言われたので、自由に、自分の家であるかのように、暴れた感じです。

FRPのクマやネコなどの彫刻についてはいかがですか。

初めてつくりました。前からずっとつくってみたかったんです。クマのタイトルは"ぼくのくつ下"、そのままです。クマがくつ下を履きかけています。ネコのタイトルは"ニットキャット"です。よく見るとニットを着ているんですよ、このネコ。家に転がしているとすごく可愛くて、生きているように見えて、できれば手放したくなかったんです。

天井近くにいるネコと同じネコですか。

はい、あれも同じネコです。お裁縫が苦手なので、上手につくれなかったんです。

ぼくのくつ下, 2008ニットキャット, 2008ニットキャット, 2008ニットキャット, 2008

L to R : "ぼくのくつ下", 2008、FRP, acrylic, color pencil, urethane, color spray  "ニットキャット", 2008 FRP, acrylic, color pencil, urethane  "灰色ネコ", 2008、cloth  installation view at Tomio Koyama Gallery, 2008 © Tomoko Nagai

installation view from Project N33 at Tokyo Opera City Art Gallery, 2008

installation view from Project N33 at Tokyo Opera City Art Gallery, 2008 © Tomoko Nagai

そこにある水色のものが、ご自身で使われていたドールハウスなのでしょうか。

いいえ、最近トイザらスで購入した、アメリカ製でバービー用のものです。色がすごく綺麗で。

先ほどの盆栽の絵に描いてあるものですね。

はい、そうです。

今回ご自身でもいっぱいドールハウスをつくられていますが。

はい、すっごく楽しかったです。

ええ、楽しさが伝わってきます。

遊びながらつくっていました。

つくるのにどのくらい時間がかかりましたか。

1日で3個ぐらいつくっちゃいました。ドローイングを描くような感覚でつくったので、絵を描くのと同じ位の時間で出来ました。

絵も速く描かれるほうでしょうか。

そうですね、ドローイングは特に。速く描かないとその時のイメージがなくなってしまうので、1日で。

installation view at Tomio Koyama Gallery, 2008

installation view at Tomio Koyama Gallery, 2008 © Tomoko Nagai

installation view at Tomio Koyama Gallery, 2008

Doll House / installation view at Tomio Koyama Gallery, 2008  © Tomoko Nagai

この作品の額縁の形は、古い西洋の家に飾られている肖像画を彷彿とさせます。

それ、知らなかったんですよ。いえ、知ってはいたのですが、そういったものは全く意識していなくて。このフレームは雑貨屋さんで偶然見つけたのですが、肖像画を入れるものだとは全く知らず、絵を一個一個入れるものだと思って買いました。

フレームの形に合わせてそれぞれ描かれたのですね。このドーナッツは?

樹脂粘土を使って自分でつくりました。FRPの人形をつくろう、でもひとりでFRPをつくるのは無理かと思い、いろんな粘土を探しました。その中で、この樹脂粘土を発見したんです。

小物を含めてインスタレーションをしようというのは、何かきっかけがあって?

自分の部屋と同じ感覚なんです。絵を描く時に周りにこういうものがあって、それが自然な空間のように感じて。だからお部屋の飾り付けと一緒です。ドールハウスの室内も、遊びながら自分の空間をつくっていく。この空間(gallery2)は、一つの絵をつくる時に考えるのと同じで「描いた」感じです。このインスタレーションは、一枚のドローイングを描くみたいにしてつくっていました。絵を描くようにシャンデリアを付け、絵の中に絵を描くように絵を貼って。

大きいペインティングを描いたりと、新しい試みがたくさんでしたね。大変でしたか。

大変だったけど、楽しかった。

次回はこういう事をやってみたい、等はありますか?

いっぱいあります! 機会がもらえたら全部やりたい。

それは何ですか?

やるまで内緒です(笑)。今言ってもコロコロコロコロ変わりますから。

installation view at Tomio Koyama Gallery, 2008installation view at Tomio Koyama Gallery, 2008installation view at Tomio Koyama Gallery, 2008

L to R: installation view at Tomio Koyama Gallery, 2008 © Tomoko Nagai

他のアーティストの展覧会はご覧になられますか。

私、あまり見ないんです。実はアーティストにも詳しくないんですよ。でも、観て、ど・ストライクなものもあります。森美術館で観たアネット・メサジェのぬいぐるみには大興奮でした。遊園地に遊びに来た、みたいな感じだった。

怖くなかったですか。

なかったです。とてもキュートだった。

長井さんの作品は可愛いけれど、ちょっと怖い部分もありますよね。

よく言われますね。でも怖くないんですよ、全然怖くない。

女の子っぽいものを集めているはずなのに、そんなに甘くならないのが不思議です。

はい、甘くないんです。シャンデリアを使っていたりしますが、全部ヨーロッパチックにはしたくないんです。盆栽がいたり、サッカーボールがあったり、飛行機が飛んだり。絵をつくる中でフラットに描く面とゴテゴテ描く面があるのと、同じ事なんです。色々なものが調和され、バランスのとれた一つの空間が創りあげられると自分では考えています。それは多分自分が日本に生まれたからかな、と実感して、やっぱり日本大好きだって思いました。

色々な種類のもの −西洋的なもの、東洋的なもの− が周りにあるからでしょうか。シャンデリア一つを見たときに浮かぶイメージに負けず、ロマンチックでお姫様的なものになってしまわないのが長井さんの作品だと思います。

はい、ロマンチックでお姫様では駄目なんです。日本で育たなかったらこういう絵に辿り着いていなかったと思います。

旅行はお好きですか。

旅行はほとんどしません。

長井さん、頭の中で旅行できますよね(笑)。

行きたいとこには行けます!(笑)。

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