
インタビュー / 小山登美夫ギャラリー
photo / installation view : 岡野 圭
作家略歴 & Works プレスリリース 展示画像
page| 1 2 >>
installation view at Tomio Koyama Gallery, 2008 © Daisuke Fukunaga
Local Emotion
裏側にあるもの、陽の当たらない場所にあるもの
昔から普通に絵を描くことが好きでした。子供の頃から描いてた。よく漫画の背表紙なんかを真似て描いてたので最初は漫画家になろうと、小学校、中学校くらいかな。
でも、自分はストーリーや女の子の絵が描けなかったし、一つのものなり人間を描いているのが好きだったんですね。しかも絵のほうがずっと向き合えるというか、突き詰められる何かがあると思ったから、絵のほうに行きました。美術のほうに。
いや、バスケ部ですね。中学校。一応キャプテンでした、ダメキャプテン、一勝もできなかった。(笑)
高校は美術部に入ってましたけど、なんか居づらくてすぐ行かなくなっちゃって。高校に入ったらさぞいろんな人たちがいるのだろうと変な期待があったのですが、なかなか馴染めなくて、友達ができなかったんですよ。それで高2の時、美大の予備校に入り、そこでいろんな人達がいて、偶然小学校の友達と再会したりしていろいろ価値観を変えられました。今でもそこでの人達とは繋がってますね。
今、見ると似たようなことをしてますね。いろいろな要素を持ってきて、それで構成するみたいなのがあったんだけど、その当時は技術がなさすぎて、ぜんぜん成立してなかったんだけど。
そうそう。しかもまあ受験だったし。
それは意識しています。前回では、庭とかフォーマットとしての空間があって、そこにさらに自分の気になる要素を持ってきて、イメージの擦れ合いみたいなもので一枚の絵を構築してました。その後から今度は一個一個のモノに集中して描きたいという気持ちが出てきて。たまたまモップが人に見えたというのが強く印象に残ってて、去年は集中して描いていたんですけど。
なぜモップを描こうと思ったかというのは、一つの理由として、今言ったようにものをじっくり描きたいというのがあって。もう一つとしてモップがなぜ目についたかというと、裏側にあるものというか、陽の当たらないところにあるようなものに目がいくというのがあって。そういうところが、自分の中で「ローカル」に感じるんですよ。それが今回の表題になっています。裏側のモップだったりとか、看板の裏側だったりとか、"Tough guys"は資材置き場なんですが、自分の中で何を描きたいかというのが結構しぼれてきた。だからある種唐突なものをもってくるわけじゃなくて、その場所に集中して、その空間の雰囲気を描くというか。

"neighbourhood garden", 2006 /
oil on canvas / 227.5 x 227.5cm
© Daisuke Fukunaga


installation view at Tomio Koyama Gallery, 2008 © Daisuke Fukunaga
まあ絵の中に出てきてるモノとか空間も、実際にいろいろあるわけですよ、自分が気になるものは、普段、いろんな場所で目につくし。その時その時の記憶がいろいろ重なって、曖昧になったりもするし、その中から出てきたイメージだったり、総合的になってつくってますね。
そうですね、写真はほとんど見ないですね、最初にそのものらしさを出すのに確認するためには見ますけど。ドローイングは描きます。形態は様々だけど。殴り描きとかいっぱいあるけど。
これは一ヶ月ちょっとですね。
多分、自分のなかの看板の裏のイメージというのがあって、それは一般的ではないものだから。みんな見慣れていない場所だから、異物感を感じるのだと思います。実際に看板の裏に、こういう焼却炉とか、ドラム缶とか、ベニヤがあったりとかそういうのを見たので、そういうふうに描いているんですけど。



L to R: "Have a break !", 2007 / oil on canvas / 259.0 x 194.0cm、 "local emotion ", 2007-08 / oil on canvas / 259.0 x 194.0 cm
installation view at Tomio Koyama Gallery, 2008 © Daisuke Fukunaga
そうですね。あれはもうどういうふうに描けばいいかなと思って、2、3回壊したりしてああいうふうになったんですけど。
一回描いて、なんか違うなと思って、もう1回白で頭の周りだけ全部バーって塗ったりして。
そうですね。
柿です。実家にもあります。
ちょっと絵の具が生っぽいからかもしれないですね。
"local emotion"の柿の木とヤシの木はすごく描きたいと思っていて。すごくローカルを感じるんですよ。絶対あるんですよ。ヤシの木と柿の木って。
そうです、そうです。ソテツって言うんですか。南国にある木と思いきや、どこにでもある。 しかもあまり日本っぽくないじゃないですか。ちょっと南国っぽいんだけど、でもローカルというか。すごい田舎のほうによくあるんですよね。
そうですね。垂れ下がりすぎてると。でも、僕はほんわかした印象ですけど、平屋にソテツのある庭。いいですねぇ。
そのローカルっていうのも、いわゆる畑がばーっと広がる田舎って言うんじゃなくて、あくまでも身の周りに感じたローカル性を描いています。

"畑の戦士たち", 2006 /
oil on canvas / 97.5x145.5cm
© Daisuke Fukunaga



L to R: "Tough guys", 2008 / oil on canvas / 259.0 x 194.0cm、"日だまり a sunny place", 2008 / oil on canvas / 259.0 x 194.0cm
"back ground", 2008 / oil on canvas / 259.0 x 194.0 cm © Daisuke Fukunaga
これは、鉄条網。そういうところって見たことないかもしれないですけど。
これは、コーンと、台風で飛ばされたような、骨の折れた傘です。
雨が降ったあとの、濡れたアスファルトに光が反射してぎらぎらした感じを出したかったんです。
自分のアトリエの周りなどが工業地帯で、壁のペンキとか、トタンに塗ってある色なんかがカラフルなので。カラフルな色なんだけど、こう日焼けしちゃった感じとか、いい色だなあと。
そうですね。でも暗闇で街灯とかの照明に照らされた工業物はすごいビビットでドキッとしますね。
これも立て看板の裏側なんですけど、そうゆう所は大体ふき溜まってて、いろんなものが捨てられてるし、地形的にも不安定な場所に建てられていて気になるんですよ。
これは柱で支えられてるんです。
その看板の後ろから、表のパチンコ屋の光とか、車の光がバーッと当たっているのが後ろに漏れてきていて、背後の世界が照らされているような感じです。
やっぱり、逆光なんですよ。逆光になんか、目が行くというか。
page| 1 2 >>