小出ナオキ 「二人の浴室』

2004.10.09 - 10.30  オープニングレセプション 10.09.Sat.6:00 - 8:00pm
小出ナオキは1968年愛知県生まれ。1992年東京造形大学造形学部美術学科を卒業。
東京を拠点に活動する他、出身地である名古屋のギャラリーでもグループ展に参加しています。Project Room/Tomio Koyama Galleryでは、昨年行ったグループ展MAGIC ROOMへの参加に続き、初の個展となります。
小出の造り出す彫刻作品は、ユニークにデフォルメされた人物や、あるいは想像上の奇妙な生き物をかたどっています。つるりとした質感とコミカルな造形は、遊園地の中のアトラクションから飛び出して来たかのようですが、小出はそれらのキャラクターたちをあえて、生活感溢れる日常風景の中に配します。自分という存在と深くつながっているもの、その関係性に興味があると言う彼は、作品にもまたある種の生活空間を入念に用意します。例え人体を模していても、そこには人間の造形に対するリアルさの追求はありません。親指のような形をした大きな顔に浮かぶアンニュイな表情、視点の定まらない目、少し弛んだ口元、あるいは奇妙なバランスでのびた手足、それらは作家自身の思い入れの強さ、印象の強さによって、自由自在に形を取っていった結果です。彼の彫刻は、周囲から切り離されたホワイトキューブの中で存在感を放つのではなく、あくまでもそれを取り巻く関係を反映する装置として、私達の想像力に働きかけるのです。
今回の展示の主役は1組のカップルです。作家のイメージでは彼等は理想の恋人同士ですが、実際の恋人達がそうであるように、二人は時には兄妹、時には親子のようにも見え、カテゴライズできない様々な役割をになっているように思えます。舞台は私達が普段生活している家の中、その中でも特に親密な関係を暗示する浴室と寝室を再現しています。写真作品の中では、実際に生活者がいる様々な空間の中にこのカップルが登場していますが、それぞれの生活者の息吹を受けて、二人にもまた各々違う印象が投影されています。彼等のペットなのか、あるいは家に住みついた神様か、不思議なクリーチャーの立体作品も登場予定です。ほっとするようでどこかミステリアスな二人の浴室を、是非のぞきにいらして下さい。お待ち申し上げております。