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蜷川実花は1972年東京生まれ。97年多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。在学中から作品を発表し、第4回「写真ひとつぼ展」を皮切りに数多くの賞を受賞。2001年、第26回木村伊兵衛写真賞を受賞しました。広告やファッションを中心に幅広い分野で活躍するほか、近年では写真作家として、ユニークなインスタレーションと共に芸術性の高い展覧会を開催しています。主な展覧会に「日本の新進作家展 幸福論/Acid Bloom#3」(東京都写真美術館、2003)、「KEEP IN TOUCH.POSITIONS IN JAPANESE PHOTOGRAPHS」(クンストハウス・グラーツ、オーストリア、2003)、また個展として「mika over the rainbow」(LAFORET MUSEUM HARAJUKUより日本巡回、2004)、「Liquid Dreams」(パルコミュージアム、2003)など、数々の会場で多大な動員を集めました。現在最も露出度の高いフォトグラファーの一人として、東京を拠点に制作活動を行っています。
鮮やかな原色とそこから広がる深いグラデーションが混在する鮮烈な色彩感覚は、一度目にすれば二度と忘れない、作品の最大の特徴です。加えてそのダイナミックな構図は、選ばれるモチーフの愛らしさ、ガーリーな感覚に対してむしろ男性的とも言える大胆さを備えています。モチーフはいくつかの大きな流れに分けることができます---作り込まれた舞台セットのような世界に迷い込んだ女の子達、大きく写し出された花や金魚、作家が世界中を旅しながら切り取ってきた風景など。それらは一見、ヴィヴィッドな色彩に彩られたどこまでも幸福な世界に見えますが、作家の興味は実はもっとわい雑なもの、或いは人工的な美しさに潜む毒々しさに向けられています。故意に使われた造花や張りぼてなどのまがい物が発する生々しい空気は、何気ない風景写真に見える1枚にもどこかで反映されているように思えます。
今回、小山登美夫ギャラリーでの初めての個展となる展覧会は、17点の大サイズと、80点を超える小サイズの写真作品で構成される予定です。作り物の中に組み込まれたお姫様のような女の子と、作家が実際に巡り歩いた世界各国のふとした風景、今まで組み合わせられることのなかった2つのシリーズが重なった展覧会は、既成の「蜷川実花的」というイメージをより豊かなものにするでしょう。「消えてなくなりそうな瞬間的なもの、新陳代謝の早いものを捉えたい。(旅も女の子も)留められないものを留めたい、本当なら残せないものを、感性を研ぎ澄ませてどれだけ残すことができるか」(蜷川実花談)という言葉どおり、過ぎ去る一瞬を永遠の中に切り取り、刻み込むというアートの根源的な欲求が、彼女ならではのオリジナリティーを以って体現されています。
是非御高覧下さい。
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