塚田守
"妖怪 SPECTER"
2006年3月18日(土)- 2006年4月8日(土)
<オープニングレセプション>
3月18日(土)6:00pm〜8:00pm
妖怪 SPECTER 2006
c-print 50×50cm
(C) 2006 Mamoru Tsukada
時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。この度3月18日から4月8日まで、塚田守<妖怪 SPECTER>展を開催する運びとなりました。
塚田守は1962年生まれ。米国にて写真を学び、現在は日本を拠点に制作活動を行っています。2003年、小山登美夫ギャラリーで初個展『感性的表象を超えた彼方を望見せざるを得ない』を開催、本展が2度目の個展です。
触覚や聴覚などを駆使し、盲目の人々とコミニュケーションをとることから、塚田は写真作品制作を始めました。視覚が無いということは、日常のすべてをイメージして生きて行くこと、またそれゆえにそのイメージは、日常から逸脱できるということです。塚田はそこから、自身の写真作品のイメージの可能性を追求していきます。視覚的日常から逸脱するイメージ、つまり、それらは視覚的であるよりも、視神経的でり、無意識を喚起していく作品です。
2003年のシリーズ『Identical Twins』では、戦争をコミュニケーションの一つとして捉え、第2次大戦時下の日本兵に扮する若者と、現代に生きる若者としてその双子の兄弟が登場しています。過去、過去との遭遇、現在、未来への提起という展開により、ここでもまた世界の不可視性、写真という媒体と自分との関わり、またシュミレーションという写真の特性と重ね合わされた多層的な構造のモチーフを提起しています。
考え抜かれた発想と、被写体と出会った直感とが刺激的に絡み合う塚田の作品は、その背後に多くの言葉を予感させながら、透明な「媒体」としての写真と人間の起こす「ずれ」によって鑑賞者の無意識を喚起します。2004年川崎市民ミュージアムで行なわれた『サイト・グラフィックス』展では、『アセファル(無頭人)』と題し、森の中に佇む奇妙な人々、不気味な仮面や謎めいた痕跡の数々が被写体となりました。また2005年御茶ノ水のトーキョーワンダーサイトで行なわれた『ゾーン---ポエティックモーメント』では、どこか死のイメージを感じさせる虚ろな人々のポートレートシリーズ、『交霊』も併せて出展されました。
本展<妖怪(スペクター)>では、8点の新作が展示されます。
「カメラに仮面を被せる、滑稽でかつフィジカルな制作方法を用い、写真媒体上に<妖怪>を制作しました。この写真シリーズは、対象とイメージの透明な関係を保ちつつ、そのあいだに<ずれ>を反射させ、潜り込ませ、対象の内も外も視覚に晒しています。前は後ろで、後ろは前。視覚的現実からの逸脱と、視神経的存在への挑戦です。儀式『アセファル』、『交霊』に続く、似非霊能媒介者にふさわしいフィジカルな挑戦作、春先、季節外れの『スペクター(妖怪)』です。」(作家談) どうぞご高覧ください。