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About the Exhibition
塚田 守 展
» 作品紹介
感覚や聴覚などを駆使し、盲目の人々とコミュニケーションをとることから、塚田 守は写真制作を始めました。視覚が無いということは、日常の全てをイメージして生きていくこと、またそれゆえにそのイメージは日常から逸脱できるということです。塚田はそこから、自身の写真のイメージの可能性を追求していきます。視覚的日常から逸脱するイメージ、つまり、それらは視覚的であるよりも、精神的で無意識を喚起していく作品です。
2003年のシリーズ『Identical Twins』では、戦争をコミュニケーションの一つとして捉え、作品の背後に多くの言葉を予感させながら、写真と人間の起こす「ずれ」によって鑑賞者の無意識を喚起します。2006年のシリーズ『Specter』では仮面をカメラのレンズにかぶせるという滑稽かつ物理的な制作方法を使用。彼はそこで、写真と被写体から「ずれ」を生み出し、反射から起こる視覚的現実からの逸脱と、視神経的存在による無意識へ更に挑戦していきます。
» 展覧会について
本展では初期の作品から2007年東京ワンダーサイトで展示された『Cave Painting』、2008年の新作まで一挙に展示されます。この機会に是非、塚田 守の世界感をお楽しみください。
» 作家プロフィール
塚田 守は1962年長野県生まれ。小山登美夫ギャラリーでは、03年『感性的表象を超えた彼方を望見せざるを得ない』、06年『妖怪』に続いて3度目の個展となります。
その他の主な展覧会に『見ることと人』(01年、ギャラリー ラ・カメラ/日本外国特派員協会)『サイト・グラフィックス』(05年、川崎市市民ミュージアム、神奈川)、『ゾーン---ポエティック・モメント』(05年、トーキョーワンダーサイト本郷、東京)、『風景』(07年、ラックスギャラリー、ニューヨーク)、『ポートレート・セッション』(07年、広島市現代美術館/ナディッフ、東京)、『Shop & Think シリーズ Vol.2 アート&エコロジー エコゾフィーの実践I』(08年、Eye Of Gyre、東京)、『Mediations Biennale』(08年、The National Museum in Poznan、ポーランド)などがあります。
ステートメント:塚田 守
たとえば、それを感情と呼んでもいいと思います。それはわたしたちの身体を動かす内在のエネルギーです。ただ、感情に流されるという表現があるように、コントロールできない危険性がつねにつきまといます。しかしこの際それも承知で、この不可視のものをエネルギーとも感情とも呼びます。それがあるから、世界が良くも悪くも動いているといったものでしょうか。
これらの不可視であるエネルギーを写真で構築していくわけです。それをどのようにするか。楽じゃないです。その方法を見つけるのは時間がかかります。倫理も重要になります。
写真は目に見えるものであれば、すべてを写します。すべての物質の媒体となりうるわけです。時折、幽霊も写るようです。可視の世界を隅々まで覆い尽くすことができるこの写真という媒体であるからこそ、その向こうにある不可視の存在と接することができます。
シリーズ「SPECTER」で、仮面、布などの表面に見えるものを使い、その向こうにある暗闇の存在を示しています。この暗闇というのは、光とともに写真の構造上不可欠なものです。
また、インドに行き、羊の生け贄の儀式での血を作品にもしています。これは、神という不可視に捧げる人間の破壊のエネルギーです。物質を破壊し、そこでエネルギーを抽出する作業です。(「CAVE PAINTING - SACRIFICE」)
北極近くに行き、そこでの磁力のせいか、夢で見たものを数日後現実に目の当たりにもしました。磁力と夢、また不可視である電波を捉える巨大な幾何学模様のアンテナ。(「CAVE PAINTING - DRYWALL」)
新作シリーズ「LOVE TRANSFORMER」では、現実に存在する物質を介さず、より直接的にこの不可視のエネルギーに近づく方法へとエスカレートさせています。そこで敢えて、物質としての存在が不確かになるインターネットからのイメージを使用しています。
歴史上の絵画の部分、たとえばベラスケス、クールベ、クレー、またデュシャンの作品からの引用をしています。これらインターネットにある歴史からのイメージと、現存する/した物体の写真をコラージュすることで、いまだここにない時空間が直接作れるのではないか。生きながらも死んで行くこの現在から、不可視の未来が生まれるのじゃないかと考えます。
2009年2月19日 ベルリンにて
お問い合わせ先:
[ 小山登美夫ギャラリー 京都 / TKGエディションズ 京都 ] プレス担当:藤川二葉 TEL:075-353-9994
*写真をclickすると拡大画像がご覧になれます
CavePainting IV: Drywall, 2008
Light Jet print
180.0 x 180.0cm
© Mamoru Tsukada, 2008
